卵管がんとは?

卵管がんとは、卵管に発生する非常に稀ながんで、女性性器がんのわずか1%程度です。大半が、50〜60歳代に発症します。出産経験のない人や不妊の人に多いと考えられています。
卵巣や子宮、あるいはリンパ節に転移することもあります。

下腹部痛などの症状がでてきます

卵管がんの症状
初期は無症状ですが、進行すると、水様の多量のおりものや不正出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。

卵管がんの判定のポイント
超音波・CT・MRI等の画像診断で腫瘍の有無や内容の性状を検査します。
また腹水や胸水の貯留の有無や明らかな転移病巣の有無等、がんの進行の程度を調べます。1cm以下の小さながんは解らない場合があります。

診断の確定には、へそのすぐ下を小さく切開し、細く柔軟性のある腹腔鏡を挿入して卵管や周辺組織を観察します。手術で腫瘤を切除して確認することもあります。周辺組織の生検も行われます。

卵管がんの治療
基本的には卵巣がんと同じで、子宮と両側の卵管卵巣切除、リンパ節をきれいにするリンパ節郭清、大網(胃から垂れ下がった腹膜の一部)切除したあと、抗がん剤を追加します。

膣がんとは?

膣がんとは、膣に発生する稀ながんで、その頻度は女性性器がんの約1%を占めるにすぎません。膣の上部1/3の部位の後壁によく発生します。
膣がんには、扁平上皮細胞がん(扁平上皮がん)と腺がんの2種類があります。扁平上皮がんは通常60歳〜80歳の女性にみられます。腺がんは12歳〜30歳の女性に比較的よくみられます。

おりものに異常が現れます

膣壁は薄くて、周囲にリンパ管が多いため、がんの進行が早く、子宮や直腸、膀胱だけでなく血液やリンパ管を介して肺などにも転移します。

膣がんの症状
性交中やその後、月経期以外の時期、閉経後などに現れる不正出血と血の混じったのおりものが主な症状です。進行すると腰痛や下腹部痛をともないます。多くは子宮頸がんの疑いで、検査中に診断されます。

行なわれる検査と判定

  • コルポスコープ診
  • 細胞診
  • 組織検査
  • CT・MRI
  • S字結腸検査
  • 経静脈的尿路造影(IVP)
  • 胸部X線検査

膣がんの判定のポイント
まずコルポスコピー(膣拡大鏡)という器具を用いて膣内に何か異常な部分がないかを診て調べます。その際、生検のために綿棒やブラシで子宮頸部や膣の表面をこすって細胞を採取します。
次に内診して異常に触れる部分、つまり「しこり」の有無を調べます。
後に細胞診で異常な細胞が見つかった場合は、組織診といって組織の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞があるか、どのような種類のがん細胞であるかを詳しく調べます。

がんが確認された場合は、膣以外の部分に転移していないかを調べるために、診察や経静脈的尿路造影(IVP)、膀胱鏡検査、S字結腸検査などを行って、ほかの臓器も調べます。
さらに肺に転移していないかどうかを調べる胸部X線検査なども必要となります。

膣がんの治療
膣は膀胱や肛門、神経や血管が近くにある部位なので、がんがどの程度広がっているかによって、治療法が異なります。膣の表層部にとどまっている場合は、部分切除を行ないます。
さらに進行している場合は、放射線療法や抗悪性腫瘍薬が用いられます。

外陰がんとは?

外陰がんとは、大陰唇、小陰唇、会陰、陰核などの外陰部に発生するがんです。
リンパ節に転移しやすく、女性性器のがんの中では子宮がん卵巣がんに次いで多く、60〜70歳代の人によく発生します。

外陰がんについて

高齢者に多いので、羞恥心が先行したり、かゆみなどの症状があっても自己判断で市販の塗り薬などを使用して受診が遅れ、その結果既に進行がんになっていることも少なくありません。
自分の目で見ることができる部位にできるがんですので、異常を感じたら早めに産婦人科を受診しましょう。

外陰がんの症状
初期には症状はほとんどありませんが、腫瘍が次第に大きくなってくると、しこりや異物感を感じるようになります。外陰部のゆるみ、かゆみ、ヒリヒリ感が初期症状であることもあり、やがて表面がただれて潰瘍をつくるようになると、出血やおりものがあり、感染を起こすと膿状のおりものがみられるようになります。

外陰がんの診断
注意深い外陰部の視診が早期診断に欠かせません。外陰部は乾燥していますので、細胞診で診断するために良好な標本を得ることが難しくなっています。確定診断は拡大鏡を用いてよく観察し、疑わしい部位の生検を行います。

外陰がんの治療
治療は、癌の進行度や患者の年齢を考慮し、手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法を、単独あるいは併用して行ないます。
手術方法は病巣の広がりによって、腫瘍を含むが医院を切除する方法や、広く周囲の皮膚を切除して鼠径部や骨盤内のリンパ節も郭清する方法、膀胱や直腸もともに摘出して人工肛門や尿路の変更を行なう方法などがあります。

放射線療法は、外から放射線を照射する方法(外照射)が主に行われますが、がん病巣の中にラジウム針などを埋め込む方法(組織内照射)が行なわれることもあります。

皮膚がんとは?

皮膚の外側の表皮細胞、そして毛包、汗腺などの皮膚付属器の細胞が悪性化したものを総称して「皮膚がん」といいます。やけどや外傷あとのひきつれ、ほくろなどが変化して発症することが多いです。皮膚にできるので観察しやすく、早期発見して治療を行なえば、悪性の場合でも完治させることができます。
皮膚がんの代表的なものが、有棘細胞、基底細胞、色素細胞から発生するがんです。もっとも悪性なのが、悪性黒色腫(メラノーマ)で、脳軟膜や眼球脈絡膜にも発生します。

悪性黒色腫(メラノーマ)の画像です

有棘細胞がんは、中高年の人の顔や手の甲に多く見られ、やけどあとのひきつれ、放射線治療後の慢性皮膚炎、紫外線によるしみ、脂漏性角化腫(老人性のいぼ)などから生じやすいとされています。

症状:有棘細胞がんの症状は、発生部位や発生原因によってさまざまです。一般に、比較的大きく、ふぞろいな形の紅色をした皮膚の盛り上がりで肉のかたまりのくずれたもののように見え、表面にびらんや潰瘍を伴って出血しやすく、つまむとしこりを触れるような場合は要注意です。大きくなると腫瘍の形はカリフラワーにたとえられることもあります。
それ以外に自覚症状は特にありませんが、有棘細胞がんは腫瘍の表面が弱くなっているので一般細菌による感染をおこしやすく、膿をもったり悪臭を放ったりします。

治療:がんの部分を切除すれば完治します。リンパ節に転移した場合は、抗がん剤や放射線の併用が効果的です。

基底細胞がんは、皮膚がんの中では最も発生頻度が高く、中高年に多発します。約80%が顔面に生じます。長い年月、皮膚が日光に当たるのが原因です。

症状:初期症状として最も多いのは「ほくろ」と勘違いされる小さな黒いおできです。
これが通常は数年間かかって徐々に大きくなり中心部は崩れ、周辺部は堤防状に盛り上 がった黒いおできが並びます。多くは上下の瞼・鼻・上口唇のまわりに発生します。
まれに湿疹やキズが治った跡のような、がんには見えないような皮疹もあります。たいてい、痛みや痒みなどの自覚症状はありません。

治療:早期に切除すれば完治が期待できます。放射線、抗がん剤も使います。

悪性黒色腫(メラノーマ)は全身に発生し、進行が速く転移しやすい悪性度の高いがんです。日光に長期間あたる顔や首に多発し、外傷、靴擦れ、凍傷、やけどのあとが誘因となります。脳や眼球、口腔粘膜にもみられます。

症状:黒あるいはまだらな黒褐色の斑か結節があらわれます。大きさ、形はさまざまです。2〜3ヶ月で急に大きくなり、赤くただれて出血するのが特徴です。爪では、まだらな黒褐色の色素沈着が広くでき、やがて崩れていきます。
突然、手のひらや足の裏に黒色斑が出て、急に大きくなったりした場合は、皮膚科を受診してください。

治療:がんの周辺皮膚を含めて切除します。多臓器への転移を予防するために、リンパ節の切除も必要です。抗がん剤、放射線療法も併用します。

行なわれる検査と判定

  • 組織検査
  • 胸部X線検査
  • 腹部超音波検査
  • CT検査
  • MRI検査
  • シンチグラフィー

皮膚がんの判定のポイント
皮膚がんをよく診ている皮膚科専門医であれば、病変の視診によって、皮膚がんかどうかの判別は ある程度つきます。医療機関によっては、患部を拡大して観察できるデルマトスコープや、拡大した病変部をモニターに映しだすビデオマイクロスコープを用いているところもあるようです。

確定診断のためには、局所麻酔をして病変の一部を切除し、顕微鏡で観察する病理組織学的検査が行われます。悪性黒色腫では、患部にメスを入れるとがん細胞が散らばって、転移を促す危険があります。

そこで、悪性黒色腫の疑いがある場合には、一部をとるのではなく、最初から病変全体を切除し、その場ですぐに顕微鏡で観察する迅速組織検査という方法がとられます。
検査の結果、悪性と判断した場合には、その場でより広い範囲を切除するか、4週間以内に再手術によって、さらに広範囲の切除が行われます。
悪性黒色腫になると、血液中に5Sシスチニールドーパというメラニン代謝物質が増加するので、血液検査も参考にされます。

皮膚がんと確定したら、腫瘍の広がりの程度や転移の有無を調べて病期を確認します。胸部X線検査腹部超音波検査全身シンチグラム、CT検査、MRI検査などの画像診断が必要に応じて行われ、そのうえで治療法が決定されます。

腎盂尿管がんとは?

腎臓で作られた尿は、腎盂に集まり尿管を流れて膀胱に入ります。腎盂、尿管の内側は、膀胱と同じように移行上皮という粘膜で覆われており、この粘膜から発生するがんが腎盂尿管がんです。
粘膜が同じ性質を持つため、がんは腎盂や尿管だけでなく、膀胱にも同時にできることがあります。60〜70歳代に好発し、3:1の割合で、男性に多くみられます。

腎盂尿管がんの症状
最初の症状として多く現れるのが、痛みなど自覚症状のない突然の血尿です。血尿は持続しないこともあり、数日または数ヶ月で出血が止まるなど断続的なので放置しがちです。
進行して血尿中に血液が固まったり、がんが大きくなって尿管を塞ぐようになるとわき腹の痛みが起こってきます。

腎盂尿管がんの検査と診断
尿検査、静脈内に造影剤を注入して行う尿路X線検査(腎盂造影)、超音波やCT検査、さらに尿道から内視鏡を挿入して膀胱内を検査する膀胱鏡検査が必要です。

治療
がんができているほうの腎臓と尿管だけでなく、尿管の出口周辺の膀胱壁もいっしょに切除します。また手術後、抗がん剤を併用することもあります。手術後は、がんの膀胱再発を早期に発見するため、定期的な膀胱鏡検査も必要となります。

悪性リンパ腫とは?

悪性リンパ腫とは、白血球の一部であるリンパ球ががん化する病気で、それがリンパ節や扁桃、脾臓などの全身のリンパ組織で増殖してリンパ腫を作ります。造血器のがんの中では最も多く、白血病より多くなっています。
この悪性リンパ腫には、細胞肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病などが含まれます。

悪性リンパ腫の画像です

悪性リンパ腫の症状と経過
頚部(首筋)屋脇の下のリンパ節が腫れ、さらに脾臓も腫れ、貧血や発熱、体重減少がおこり、全身の倦怠感、免疫力の低下などがみられます。
悪性リンパ腫には化学療法や放射線治療が行なわれます。悪性の病気で治療後の経過ははかばかしくありませんが、悪性度や治療開始時期によっては治癒できる場合もあります。

行なわれる検査と判定

  • 超音波検査
  • CT検査
  • 尿検査(尿たん白、尿潜血反応、尿沈査、尿酸性度、尿比重)
  • 血液一般検査(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球数)
  • 出血傾向の検査
  • 血液生化学検査(GOT・GPT、LDH、ALP)
  • リンパ節組織検査
  • 骨髄検査
  • 骨のX線検査

悪性リンパ腫の判定のポイント
首筋や足の付け根のリンパ節が腫れてきますが、それらのリンパ節を切除して組織検査を行なって診断を確定します。
また、病変の範囲を調べるために、骨のX線検査やCT検査、超音波検査、骨髄検査などを行います。

脳腫瘍とは?

脳腫瘍とは頭蓋骨内に発生する腫瘍の総称です。増殖が遅く転移しない良性腫瘍と、急激に増殖して脳のほかの部位に転移しやすい悪性腫瘍とがあり、その発生部位から、脳の実質内に発生するものと脳の実質外に発生するものに分けられます。
脳実質内に発生する腫瘍のほとんどが悪性で、神経膠腫(グリオーマ)、髄芽腫、肺細胞腫などがあります。脳実質外に発生する腫瘍としては、髄膜腫、下垂体腺腫、脳神経鞘腫などがあり、ほとんどが両性です。

脳腫瘍

脳腫瘍は子供から老人までみられ、子供では小脳、成人では大脳に発生することが多くなっています。原因は不明ですが、まれに先天的腫瘍や遺伝に関連するものもあります。

脳腫瘍の症状と経過
腫瘍によって頭蓋骨内の圧力が高まるため、頭痛やめまい、吐き気、嘔吐、視野狭窄、痙攣などの症状が現れます。また、脳神経障害として、顔面麻痺、失語症、味覚や嗅覚の障害、記憶力の低下、聴力の低下がおこることもあります。
良性のものが多く、摘出すると完治しますが、発生部位によっては完全な摘出が困難と判断される場合もあります。

行なわれる検査と判定

  • 頭部血管造影検査
  • 頭部CT検査
  • MRI
  • 脳波検査
  • SPECT、PET

脳腫瘍の判定のポイント
問診での症状からおおよそ診断がつく場合もありますが、脳腫瘍が疑われる場合は、状況に応じて頭部X線写真、頭部血管造営検査、CT検査、MRIなどを行なって診断を確定します。
さらに、転移が疑われる場合は、それぞれの疾患部位に応じた腫瘍マーカーなどの検査を行います。

白血病とは?

白血病とは血液のがんともいえる病気で、骨髄で作られる白血球が異常増殖して、悪性細胞となります。症状の激しい急性白血病と、進行の緩やかな慢性白血病とがあります。
かつては不治の病の代表例とされていましたが、近年では抗白血病剤や抗がん剤による化学療法、骨髄移植の進歩によって治癒する例も増えてきました。
2005年11月に38歳の若さで亡くなられたミュージカル歌手の本田美奈子さんも白血病(急性骨髄性白血病)でした。

急性白血病の画像です

白血病の症状と経過
異常細胞によって正常な造血能力に障害が出て、赤血球や血小板などが減少するため、動悸、息切れ、発熱、鼻や歯茎、皮下からの出血などがみられます。急性の場合は放置すると死に至りますが、適切な治療で完治することもあります。
慢性の場合は症状として脾臓の大きな腫れがみらます。病状の進行は比較的緩やかですが、急変する場合もありますので注意が必要です。骨髄移植で治癒も可能です。

行なわれる検査と判定

  • 血液一般検査(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球数、血液像、血小板数、赤沈)
  • 血液生化学検査(GOT・GPT、LDH、ALP、γ-GTP
  • 出血傾向の検査
  • 骨量検査
  • 骨髄検査
  • 全身の骨のX線検査

白血病の判定のポイント
骨髄検査で骨髄細胞を採取し、白血球細胞の有無を確認して診断します。さらに慢性白血病では、脾臓が大きく腫れる特徴があります。また、慢性白血病では白血球が増加しますが、急性の場合は必ずしも増加しません。

多発性骨髄腫とは?

体を異物から守る免疫の抗体は、骨髄の形質細胞から作られますが、そこに腫瘍ができるのが多発性骨髄腫です。形質細胞の働きが低下するとともに、血液や尿中にMたんぱく(骨髄たん白)という特殊なたん白が多量に作られて、正常な血液を作る骨髄の働きが妨げられるようになります。
稀な病気ですが、50歳以上の高齢者によくみられます。

多発性骨髄腫の画像です

多発性骨髄腫の症状と経過
腰痛と背中の痛みが主な症状ですが、体重減少や皮下出血、動機、息切れなどの貧血症状、鼻や歯茎からの出血、肝臓や脾臓、リンパ節の腫れなどの症状も現れます。
進行した場合の特徴として、骨が溶かされやすくなるため、ちょっとしたことで骨折する場合があります。
完全な治癒は難しいのですが、適切な治療を行なえば、長期にわたり、普通の生活を送ることができます。

行なわれる検査と判定

  • RI検査(全身骨シンチグラフィー)
  • 尿検査
  • 血液一般検査
  • 出血傾向の検査
  • 骨量検査
  • 骨髄検査
  • 全身の骨のX線検査
  • 血液生化学検査(肝機能検査…GOT・GPT、LDH、ALP、尿素窒素)

多発性骨髄腫の判定のポイント
骨髄検査により骨髄中に10%異常の形質細胞が確認され、抹消血中に500/ml以上の形質細胞があり、さらに血液中にMたん白、高度の骨粗鬆症、多量の尿たん白などがあると、多発性骨髄腫と診断されます。また、全身骨シンチグラフィーによって疾患部位の判定も行なわれます。

軟部肉腫とは?

筋肉、脂肪、神経、血管などの組織を総称して「軟部組織」といいます。軟部肉腫とは、この軟部組織に発生する悪性腫瘍で、30を超える種類があります。
そのうち主なものは、悪性線維性組織球腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、滑膜肉腫で、これらが軟部肉腫の50%以上を占めています。

滑膜肉腫の画像です

悪性線維性組織球腫はお年寄りに多く、脂肪肉腫は中高年によくみられます。この2つの軟部肉腫は、大腿部に発生しやすい傾向にあります。横紋筋肉腫は、10歳代以下の子供に起こることがほとんどで、眼球や鼻腔などの頭頚部や泌尿器などにも発生します。

軟部肉腫の症状と経過
軟部肉腫では、痛みはほとんどありません。皮膚の下や筋肉の中にしこりや瘤ができ、次第に大きくなりますが、かなり大きくなっても、痛みを起こすことは稀です。そのため、進行してから医療機関を訪れる人が多いのが現状です。
しこりが大きくなると、皮膚が熱感をもったり、潰瘍ができたりします。

行なわれる検査と判定
診察の際には、まず視診と触診が行われます。その結果、腫瘍の大きさが5cmを超え、硬くて、深部にあるような場合は、悪性腫瘍が疑われます。

軟部肉腫は、X線検査でははっきりと写りません。軟部肉腫の診断に欠かせないのは、腫瘍の位置、大きさなどがはっきりわかるMRI検査です。ただし、軟部組織にできる腫瘍は、良性のものまで含めると100種類以上あり、画像診断で、その性状まで確認できることは稀です。

そのため、診断には生検が欠かせません。腫瘍の位置を確認しながら、体の外から針を刺して組織をとる針生検が行われます。軟部肉腫では、肺転移の有無によって、治療方針が異なるので、悪性と判明した場合は、肺のCT検査が行われます。

軟部肉腫の治療
軟部肉腫は、手術で周辺の組織まで含めて腫瘍を切除するのが基本です。
腫瘍が重要な血管や神経に接していて、大きく切除することが難しい場合には、手術前に放射線療法や温熱療法を併用して、腫瘍を小さくしてから手術を行うこともあります。

また、腫瘍が骨に接ししている場合は、骨を一緒に切除することもあります。この場合、骨移植や人工関節による再建が行われます。

眼のがんとは?

がん全体の割合からみると、非常に稀(1%未満)ではありますが、眼にも悪性腫瘍(がん)は発生します。代表的な眼のがんは、上あるいは下まぶたに発生する目瞼がん、網膜になる前の細胞に発生する網膜芽細胞腫、ぶどう膜に発生するぶどう膜メラノーマなどです。
網膜芽細胞腫は幼児特有のがんですが、ほかは中年以降に見られます。

結膜に発生したメラノーマ

眼の悪性腫瘍は、腫瘍がまだ小さい段階でも症状に気付きやすいので、早期発見・早期治療しやすく、死亡率も低下しつつあります。
さらに、最近では眼球を摘出せずに、できるだけ温存して治療する方針がとられるようになってきています。

眼瞼がんとは、まぶたにできる悪性腫瘍です。皮膚がんの一種ですが、瞼は非常に薄く、さらに眼球を守る重要な働きがあるので、眼科で扱われます。
眼にできる悪性腫瘍のなかで発生頻度が最も高いといわれ、50歳以上の人に多いのが特徴です。
日本人では、瞼にあるマイボーム腺という分泌腺から、がんが発生しやすいという特徴があります。

症状:上か下の瞼に、しこり(腫溜)ができ、見た目に明らかに盛り上がります。
発生すると1〜2ヶ月のうちに急速に大きくなります。腫溜に色素が沈着して褐色〜黒色となり、中央部が腫れて潰瘍ができることがあります。そのためホクロのがんである悪性黒色腫(メラノーマ)と間違われることもあります。

眼窩がんは、眼球がおさまっているくぼみ(眼窩)に発生します。
眼窩自体に発生するもの(原発性)、副鼻腔から浸潤してきたもの、それに他臓器から転移してきたものがあります。
原発性のもので、最も多いのは悪性リンパ腫です。涙腺に発生する涙腺嚢胞がんは、特に悪性度の高いがんです。

症状:腫瘍が眼球を圧迫し、物が二重に見えたり、眼球が前に飛び出してきます。

ぶどう膜メラノーマとは、虹彩、毛様体、脈絡膜にあるメラニン色素産出細胞(メラノサイト)から発生する悪性腫瘍です。多くは中高年の人に発症しますが、発生頻度は低いです。
ぶどう膜は血流の多いところなので、血流に乗って眼球の外にがん細胞が流れ出し、肝臓に転移したりすることも珍しくありません。したがって、早期に発見する事が非常に大切で瀬宇。

症状:腫瘍が大きくなると、網膜が押し上げられて、物が歪んで見える(変視症)、視力が低下する、目の前を虫が飛び回っているように見える(飛蚊症)など、網膜剥離と同じ症状が現れてきます。
また、病気が進行してくると、緑内障が起こって、眼の痛みも出てきます。

網膜芽細胞腫は、乳幼児特有のがんです。胎児のときに、将来網膜になる網膜芽細胞に異常が起こって、がんが発生すると考えられています。比較的進行が速く、視神経を通じて、脳や脊髄などに転移する場合があります。
進行の速いがんですが、治りやすく、最近では生命に関わることはそれほど多くありません。

症状:眼球内に突出した腫瘍に、光が当たって瞳が白っぽく光る白色瞳孔がみられます。
特に、暗い場所でわきから目に光が入ると、顕著にあらわれます。腫瘍が網膜の下にできると、網膜が押し上げられて、網膜の血管が透けて見えることもあります。
また、斜視が起こることもあります。進行すると緑内障が起こって、目の痛みのために機嫌が悪くなったり、元気がなくなったりします。

行なわれる検査

  • 超音波検査
  • MRI検査
  • CT検査
  • MRI検査
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 眼底検査

眼のがんの判定のポイント
目のがんを検査する場合、種類にもよりますが、瞳孔を開いて眼球の奥のほう調べる眼底検査によって、多くの場合診断がつきます。
また、がんが発見されたときは、がんの大きさや形状、眼球外への浸潤を調べるために超音波検査を行います。転移しているかどうか調べる場合はMRI検査やCT検査も行なわれます。

鼻腔・副鼻腔がんとは?

鼻腔はいわゆる鼻の孔で、ここにがんができることは、あまりありません。できるとすれば皮膚がんの一種である悪性黒色腫悪性リンパ腫などです。
鼻のがんのほとんどは、鼻腔の奥にある4対の空洞である副鼻腔にできます。なかでも、この空洞の1つの上顎洞にできるがんが、90%を占めています。

鼻血や鼻づまりなどの症状がみられます

上顎洞がんの危険因子に、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があります。慢性副鼻腔炎で、副鼻腔の粘膜が常に炎症を起こしていると、綿毛をもった粘膜が扁平上皮という組織に変化して、やがて何らかの刺激でがん化すると考えられています。

鼻腔・副鼻腔がんの症状
初期には自覚症状はほとんどありませんが、進行するに従って、鼻血や鼻づまりなどの症状が現れてきます。鼻血は微量なので、鼻をかんだときに、血が混じっている程度です。
上顎洞がんは、ほとんどが鼻の片側にできるため、鼻づまりも、いつも決まった側だけに起きます。副鼻腔炎でも鼻は詰まりますが、この場合は左右交互に詰まります。

そのほか、がんが進行した方向によって、多様な症状が現れます。下方に進行したときは、歯が痛んだり、歯がぐらぐらするなど、歯に影響が出ます。
前方に進行したときは、頬の腫れが現れます。上方に向かったときは、眼球が圧迫されて、物が二重に見えたり、目が突出するなどの異常が現れます。

行なわれる検査と判定
鼻腔がんが疑われる場合は、鼻鏡や内視鏡などで、鼻腔の状態を調べますが、これらでは副鼻腔は見えません。そのため、診断には画像検査が欠かせません。
一般には、まずX線検査で、病変やがんによって侵食された骨の有無などを調べます。X線検査だけで診断がつかないときは、より詳細に病状が調べられる、CT、MRI検査などが行われます。

確定診断には、細胞診が行われます。副鼻腔には自然孔と呼ばれる、鼻腔に通じる小さな穴が開いています。そこの細胞を器具で擦り取って調べる検査です。
それでも診断がつかない場合は、最終的には唇と歯茎の間を切開するなどして、組織の一部を切り取って調べる生検が行われます。

耳の悪性腫瘍とは?

外科医で発生する音を感覚する耳は、外耳の一部である耳介と外耳道、中耳、内耳に分けられます。外耳、中耳は外界の音を聞く(聴覚)ための器官ですが、内耳には、聴覚に関する蝸牛のほかに姿勢のバランス(平衡)を維持するための三半規管や前庭があります。また、内耳の周囲には前庭神経、顔面神経が分泌しています。
耳の悪性腫瘍は、外耳、中耳などに発生しますが、非常に稀にしかみられません。

外耳道がんの画像です

外耳がん
耳介がんや外耳道がんは、組織学的には扁平上皮がん、あるいは基底細胞がんです。
耳介がんは耳輪に多くみられます。とくに外耳道がんは、耳掻きなどで、耳を掻く習慣のある人に発生しやすいといわれています。

中耳がん
中耳の悪性腫瘍には、がん、肉腫および傍神経筋腫がありますが、がんが最も多くみられます。中耳がんは、耳管または中耳粘膜に生じる扁平上皮がんで、慢性化膿性中耳炎が関係していると考えられます。また、中耳根治手術を受けた人に発生することがあります。
中耳がんは、腫瘍の進行方向から、外方型あるいは浅在型(鼓室および乳突部)、内方方あるいは深在型(鼓室および錐体部)に分けられます。

耳の悪性腫瘍の症状
外耳がんの初期症状は、片方の耳に生じる耳鳴りや難聴、ときに軽いめまいがみられることもあります。中耳がんの症状としては、頑固な耳痛や頭痛、難聴、悪臭のする耳漏(耳だれ)の増強、突然のめまい、嘔吐などの初期症状がみられます。
とくに高齢者の慢性中耳炎で、悪臭のする耳漏が増加したり、頑固な耳痛、頭痛があるときは中耳がんが疑われます。

腫瘍の増大にともなって顔面知覚異常、角膜反射消失などの三叉神経症状や、顔面神経麻痺、味覚異常などが生じます。さらに進行すると、脳が圧迫されてお酒に酔ったような歩行(小脳症状)がみられたり、うっ血乳頭(視神経のうっ血)などが現れたりします。

行なわれる検査と判定
外耳道がんや中耳がんの場合には耳鏡検査が重要です。そのほかX線検査、側頭骨断層撮影、造影剤を用いたCT検査、MRI検査で詳しく調べます。最終的には組織を採取して顕微鏡で調べる病理組織学的検査によって診断が下されます。

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