抗がん剤:プロテアソーム阻害剤とは?

プロテアソーム阻害剤の特徴
がん細胞の中の不要なタンパク質の分解を阻害して、死に導く薬です。
がん細胞の分裂や増殖のプロセスにはさまざまなタンパク質が関与しています。これらのタンパク質がその役割を終えたとき、あるいは細胞内に異常なタンパク質が生じたときに「プロテアソーム」と呼ばれる酵素がこれらのタンパク質を分解します。また、がん細胞がつくりだす新しい血管の伸長を促すタンパク質や、細胞増殖を抑えるタンパク質も分解します。

そこで、プロテアソームの作用を邪魔することによって、不要なタンパク質を分解できないようにして、がん細胞分裂の信号伝達を乱し、がん細胞を死滅させようというのがこのプロテアソーム阻害剤なのです。

ボルテゾミブ(商品名:ベルケイド)

代表的な薬
国内では、2006年12月にヤンセンファーマが製造承認を受けた多発性骨髄腫の治療薬「ボルテゾミブ(商品名:ベルケイド)」が唯一のプロテアソーム阻害剤となります。
ボルテゾミブは、細胞内に存在する酵素複合体「プロテアソーム」を阻害することで抗骨髄腫細胞作用を発揮します。プロテアソ−ムは、細胞内で不要となったタンパク質を分解する酵素であり、細胞周期に重要な役割を担っていることが判明しています。

骨髄腫細胞などの腫瘍細胞は、細胞周期に関連したこのプロテアソームにも何らかの異常があり、正常細胞よりもプロテアソーム阻害薬に対する感受性が高いと考えられています。
このようにボルテゾミブは、既存の薬剤と異なった作用機序を有することから、特に再発または難治性の多発性骨髄腫に有効性が期待されています。

プロテアソーム阻害剤の投与法
ボルテゾミブ(商品名:ベルケイド)は静脈内に注射で投与します。多発性骨髄腫の治療では複数の抗がん剤を併用して治療することが珍しくありませんが、ボルテゾミブは単独もしくはステロイド剤との併用で投与されます(抗がん剤との併用療法の安全性が確立していないからです)。

プロテアソーム阻害剤の副作用
ボルテゾミブ(商品名:ベルケイド)では、末梢神経障害、嘔吐や下痢などの消化管障害がみられます。また、骨髄の正常な細胞にも作用するため、白血球や赤血球、血小板などの血液細胞が減少する「骨髄抑制」が高い頻度で起こります。
まれに心臓血管障害などの重い副作用をおこす例があります。

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