抗がん剤:血管新生阻害剤とは?

血管新生阻害剤の特徴
がん細胞が分裂、増殖するためには大量の酸素や栄養が必要となります。
しかし、がん細胞は密集して成長していくために、周囲の酸素や栄養が不足し、一部のがん細胞は死滅してしまいます。そこで、がん組織は、酸素や栄養を補給する腫瘍血管を新たに作りだして成長、増殖を続けようとします。

ベバシズマブ(商品名:アバスチン)

その腫瘍血管の成長に欠かせない血管内皮増殖因子(VEGF)に結合して働きを阻害するのが血管新生阻害剤です。腫瘍血管を縮小させたり新生を抑制したりする兵糧攻め作用に加え、異常な腫瘍血管を正常化することで併用する抗がん剤が効率よく届くようにする作用があります。

また、がん細胞は血流に乗ってほかの臓器に転移することがあります。
そこで、血管新生阻害剤を用いることによって、がんの内部に新たな腫瘍血管が伸びることを防げば、がん細胞の転移も抑えられると考えられています。

代表的な薬
日本では認可された血管新生阻害剤は、2007年4月に中外製薬が製造販売承認を得たベバシズマブ(商品名:アバスチン)だけです。ただし、副作用の緊急事態に対応でき、併用の化学療法が行える病院・医師に限って供給されるという条件が付与されています。
海外ではベバシズマブのほかサリドマイドが承認されており、日本での臨床試験も進められています。

血管新生阻害剤の投与法
ベバシズマブ(商品名:アバスチン)は静脈に点滴で投与します。サリドマイドは錠剤やカプセル剤として経口投与します。

治療対象となるがん
ベバシズマブ(商品名:アバスチン)は進行・再発し手術が不可能な大腸がんを、サリドマイドは多発性骨髄腫をそれぞれの治療対象としています。なおベバシズマブは肺がん乳がんに対する効果も確認されています。

血管新生阻害剤の副作用
血管新生阻害剤に共通してみられる副作用としては、正常な発育を妨げることが挙げられます。そのため、小児や妊婦には原則的に使用されません。
サリドマイドでは強い眠気、手足の痺れやシカシカするなどの末梢神経の異常、血液凝固機能の低下などがありますが、最大の副作用は胎児が奇形になる催奇形性です。
ベバシズマブ(商品名:アバスチン)では発熱、発疹、悪寒などが起こりますが、重大なものとしては心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などを引き起こす心臓血管障害や喀血、消化管に穴があく(穿孔)などが挙げられます。

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