抗がん剤:抗体製剤(モノクローナル抗体)とは?

抗体製剤の特徴
病原体や毒物、がん細胞と闘う免疫システムの中で、中心的な役割を果たしているのは抗体と呼ばれるタンパク質です。抗体製剤(モノクローナル抗体)とは、がん治療のために、遺伝子工学を利用してつくられた人工の抗体のことで、がん細胞を見分けて攻撃したり、免疫システムを活性化させるはたらきがあります。

リツキシマブ(商品名:リツキサン)

抗体製剤は、がん細胞の表面にある特定の物質を抗原として判別できるようにつくられていますが、必ずしも患者が同じ抗体を持っているとは限りません。がん細胞がこの抗体を持たない場合は、抗体製剤の治療対象とはなりません。
近年では、特定の抗原に作用する抗体を量産できるようになったことで、がん組織にだけ集中的に攻撃するミサイル療法などが試みられています。

代表的な薬
がん細胞の抗原は数多く発見されていますが、実用化されている抗体製剤はまだ少ないのが現状です。代表的な抗体製剤はリツキシマブ(商品名:リツキサン)、2005年に国内承認されたゲムツズマブオゾガマイシン(商品名:マイロターグ)などです。
ほかには、トラスツズマブやセツキシマブも抗体製剤ですが、がん細胞への増殖信号を止めて、分裂を妨害する役割を持つので、一般的にはシグナル阻害剤として分類されています。

抗体製剤の投与法
点滴で静脈に投与します。

治療対象となるがん
リツキシマブ(商品名:リツキサン)は悪性リンパ腫を、ゲムツズマブオゾガマイシン(商品名:マイロターグ)が骨髄性白血病を治療対象としています。

抗体製剤の副作用
抗体製剤は、がん細胞特有のタンパク質を認識して作用するので、ほかの抗がん剤のように強い副作用はあまり認められません。
ただし、抗体製剤は人の体内で生産されたものではなく、遺伝子工学によって人工的につくられた抗体ですので、免疫システムが抗体を異物と認識して、発疹、発熱、かゆみなどのアレルギー反応が起こることがあります。また、ゲムツズマブオゾガマイシンでは、上記の副作用に加えて、重い肺炎や出血、肝臓障害などが発症する場合もあります。

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