抗がん剤:シグナル阻害剤とは?

シグナル阻害剤の特徴
体内の正常な細胞は、「増殖せよ」というホルモンなどからの信号(シグナル)を受け細胞分裂をおこします。しかし、がん細胞はこれらの増殖信号を自分で作り出したり、あるいは存在しない増殖信号を勝手に受け取ったと判断して活発に細胞分裂を開始します。
そこで、シグナル阻害剤は、がん細胞がこれらの増殖信号を受け取れないようにしたり、増殖信号を途中でストップさせて分裂を阻止します。

ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)

代表的な薬
国内で一般的に用いられているシグナル阻害剤は、イマチニブ(商品名:グリベック)とトラスツズマブです。ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)は肺がん治療薬として用いられていますが、2002年以降の副作用死者数が700人を超え、社会問題化しています。ただ、最近の研究で肺がんのEGFR受容体の遺伝子が変異している患者にのみゲフィチニブが有効という説が発表されたため、治療前に遺伝子検査を行ない、薬の有効性を確認してから投与を開始する医療機関が増えてきています。
なお、日本では未承認ですが、アメリカではエルロチニブ(商品名:タルセバ)というシグナル阻害剤が、ゲフィチニブに代わって肺がんに対して使用されています。

シグナル阻害剤の投与法
ゲフィニチブやイマチニブはカプセル剤や錠剤として経口投与しますが、抗体製剤でもあるトラスツズマブとセツキシマブは、静脈に点滴投与します。

治療対象となるがん
イマチニブは慢性骨髄性白血病とGIST(消化管間質腫瘍)、抗体製剤でもあるトラスツズマブは乳がん、そしてゲフィチニブは肺がんが治療対象となっています。ただし、ゲフィチニブは「延命効果が認められない」として、アメリカでは使用されていません。

シグナル阻害剤の副作用
共通している副作用としては吐き気や嘔吐、下痢、発疹などが挙げられます。
しかし、シグナル阻害剤はほかの抗がん剤と組み合わせて用いられているように、単独ではそれほど強い効果はありません。そのため、上記の副作用の強さも他の抗がん剤ほど深刻ではありません。

ただ、最近のニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)は間質性肺炎を引き起こす恐れがあり、もし発症した場合は、ステロイド剤などで直ちに治療をしないと生命に関わる危険性があります。(イレッサの詳細につきましては、販売元のアストラゼネカによる"イレッサ総合情報サイト"をご覧ください)
また、イマチニブには骨髄抑制や肺や心臓に水が溜まる水腫という重大な副作用があります。

関連ページ:SMAP法で抗がん剤「イレッサ」の感受性を迅速に診断

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