抗がん剤:生物学的応答調節剤とは?

がん細胞はもともと人間の体の一部ですが、免疫はこれを異物あるいは外敵と認識して攻撃することがあります。そこで、がん細胞に対して体が示すこのような免疫作用を強めて、免疫によってがん細胞を破壊しようという目的で開発されたのが生物学的応答調節剤です。
生物学的応答調節剤には、インターフェロンやインターロイキンのようなサイトカインのほか、免疫賦活剤、抗体製剤などがあります。

インターフェロン・ベータ(IFNモチダ)

サイトカインの特徴
サイトカインとは、免疫細胞同士の間で情報伝達のためにやり取りされるタンパク質(インターフェロン、インターロイキン)のことです。
サイトカインは免疫系の連絡係として、免疫細胞の働きを促進しています。
また、インターフェロンや腫瘍壊死因子のようにがんを直接攻撃するものもあります。

代表的な薬
インターフェロンには、アルファ、ベータ、ガンマの3種類があります。
また、投与回数を減らすために体内での滞在時間が長い「ペグ・インターフェロン」という薬も開発されています。インターロイキンは数多くの種類が発見されていますが、抗がん剤として認められているのはインターロイキン2(セルモロイキン、テセロイキン)のみです。(参考:生物学的応答調節剤の一覧

サイトカインの投与法
インターフェロンは1日1回の投与が原則です。治療対象となるがんによって投与法は異なり、静脈投与、皮下注射、筋肉注射などの用いられています。
インターロイキンの場合は、1日1〜2回点滴で静脈に投与されます。

治療対象となるがん
免疫療法が効果を発揮しやすい腎臓がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などが主な治療対象となります。
ほかにも、白血病、多発性骨髄腫、脳腫瘍、悪性リンパ腫に用いられています。

サイトカインの副作用
発熱、悪寒、疲労感、頭痛などが代表的な副作用ですが、精神状態にも作用しますので、うつ状態になったり、軽い記憶障害などを引き起こすこともあります。

次は免疫賦活剤についての情報です。

免疫賦活剤の特徴
免疫賦活剤は免疫作用全般を向上させる薬で、がんに対する免疫を高めるわけではありません。
そのため、免疫賦活剤そのものにがん治療効果はなく、他の抗がん剤と併用して、延命効果やがんの再発抑制効果を高めることを目標にしています。

代表的な薬
結核ワクチンとして知られているBCGのほか、ピシバニール、クレスチン、レンチナン、ウベニクスなどが用いられています。

免疫賦活剤の投与法
クレスチンやウベニクスはカプセル状剤、レンチナンは静脈投与、ピシバニールは筋肉注射や皮下注射、皮内注射で投与します。。

治療対象となるがん
BCGは、膀胱がん腎盂・尿管がんを治療対象としています。レンチナンは胃がん、ウベニメクスは一部の胃がん、クレスチンは胃がん、大腸がん肺がんに使用されています。
ピシバニールは治療対象となるがんが多く、肺がん、胃がん、喉頭がん、咽頭がん甲状腺がんに用いられます。

免疫賦活剤の副作用
発熱、吐き気や嘔吐、下痢、頭痛などが比較的多く見られる副作用ですが、人によっては副作用が全く現れないこともあります。
しかし、ピシバニールではアレルギー反応のほか、急性腎不全、肺炎などの重大な副作用を引き起こす場合がありますので注意が必要です。

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