膀胱がんのワクチン療法を開発:2年以内に治療法を確立へ

岩手医科大の藤岡知昭教授と東京大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの中村祐輔教授らの研究グループは1日、遺伝子を使った膀胱がんのワクチン療法を世界で初めて開発したと発表した。
岩手医大の倫理委員会の承認を得ており、今月中にも臨床研究を開始。2年以内に治療法の確立を目指す。

藤岡教授らは、膀胱がんの細胞に高い割合で現れる二つの遺伝子を発見。
遺伝子をHLA(ヒト白血球抗原)と結びつけてワクチンを開発した。ワクチンを膀胱に注入すると、患者のリンパ球が異物侵入と認識して活性化し、同じ目印を持つがん細胞を攻撃するという。血液を使った実験で成果と安全性が確認されたとして、臨床研究に踏み切ることを決めた。

対象となるのは、この遺伝子を持ち、HLAの型も一致する膀胱がん患者。国内では患者の半数が該当する。膀胱がんは再発や転移が起きやすく、膀胱を摘出するケースも少なくない。

藤岡教授は「早期にワクチン治療を始めれば、摘出するケースが減り、患者のQOL(生活の質)を高めることができる。副作用がなく、臨床現場にすぐ導入できる」と説明している。(YOMIURI ONLINE)

膀胱がんとは?
膀胱がんは膀胱上皮が悪性変化したもので、膀胱内に多発性に発生することが多く、男女比では約3倍男性に多いがんです。加齢とともに発生頻度が増加し、多くは40歳以降見られますが、希に若年者にも発生します。膀胱がんの原因としては喫煙があげられ、喫煙者は非喫煙者の2-3倍の膀胱がんの発がん率と言われています。
膀胱がんの約90%が移行上皮がんであり、普通は乳頭状の増殖を示します。移行上皮がん以外には、まれですが扁平上皮がんや尿膜管がんに代表される腺がんが発生することがあります。

膀胱がんの症状
痛みなどの症状を認めない血尿(無症候性血尿)が最も膀胱がんを疑う症状としてあげられます。とくに肉眼的血尿といって、見た目に尿に血が混じっている場合は可能性が高いと考えられます。
また、顕微鏡的血尿といって見た目には血尿がわからないですが、顕微鏡で調べるとわかる場合も、この疾患の可能性があり専門医の検査が必要です。 他には、膀胱炎様症状、排尿時痛、頻尿や残尿感などが続く場合もあります。