非浸潤性乳管がん(DCIS)の診断率が上昇

「超早期乳がん」と呼ばれる「非浸潤性乳管がん(DCIS)」と診断されて手術を受ける人が増え、乳がんの総手術件数に占める割合がこの4年間で5割増えたことが、主な医療施設へのアンケートで明らかになった。乳房X線撮影(マンモグラフィー)検診の広がりで早期発見が可能になったことなどが背景にある。
日本の乳がん死亡率は上がっているが、DCISの段階で治療すればほぼ完治する。診断率がさらに上がれば死亡率減少につながるとして、専門医は検診の重要性を訴えている。

アンケートは、聖路加国際病院など、先進的に乳がん治療に取り組む全国の約20施設でつくる「乳癌カンファレンス」が02年から実施している。これらの施設で行われた乳がん手術は02年が2429件、05年は3656件。うちDCISが占める割合は8.7%(212件)から13%(476件)に増えた。
この調査と一緒に、NPO法人が国内50施設を対象に実施したアンケートでも05年に10%を超えていた。

乳がんには「非浸潤性」と「浸潤性」がある。DCISは進行度でいうと「ステージ0」で治療すればほぼ100%治る。ただ、がんが乳管の中にとどまっていてしこりがないため触診ではわからない。放っておくと周囲の組織にがんが広がり浸潤性に進行する場合もある。

DCISの手術が増えたのは、検診制度が04年度に見直されマンモグラフィーが普及したほか、針でがん組織を吸引して調べる「マンモトーム生検」が同年度に保険適用され、見つけやすくなったためとみられている。

乳がん患者の死亡率は欧米で下がりつつあるが、日本では上昇している。検診の受診率が低く、DCISの発見率が低いためという指摘もある。調査を担当した同院の中村清吾・乳腺外科部長は「米国でのDCISの手術割合は20%近い。マンモグラフィー検診の普及とともに、医療施設の正確な診断と治療が必要だ」と話している。 (YOMIURI ONLINE)

非浸潤性乳管がん(DCIS)とは?
非浸潤性乳管がん(DCIS)は、非浸潤性で、乳管の内膜に異常細胞が発見される前がん状態のことをいいます。異常細胞は乳管以外の組織へは拡がっていません。
DCISは乳管から周囲の組織へ拡がる浸潤がんとなる場合もあります。現時点では浸潤がんになるのを予防する方法は確認されていません。

非浸潤性乳管がん(DCIS)の治療法

  • 乳房温存手術単独、乳房温存手術と放射線療法、あるいは乳房温存手術とホルモン療法
  • 全乳房切除単独、あるいはホルモン療法を併用する方法
  • 放射線療法併用または非併用下での乳房温存手術とホルモン療法の併用に関する臨床試験