テロメスキャン:クラゲ蛍光遺伝子でがん細胞の転移先を把握

転移によって増えたがん細胞を、クラゲの蛍光遺伝子を利用して発光させる技術を、岡山大学の藤原俊義助教授らのグループが開発した。
これにより、転移先やその範囲を正確に把握することが可能となり、その結果、手術で切除する部分を減らすことで、患者の負担軽減につながるという。医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。

テロメスキャン(TelomeScan)

技術の根幹を担うのは、がん細胞の中で増殖するように工夫した風邪のウイルス(テロメライシン)。研究グループは、この中に、蛍光たんぱく質を作り出すクラゲの遺伝子を組み込んだ。
がん組織に投与すると、がんが転移した場所でウイルスが増殖し、その部位が光って見えるという仕組みだ。

実際に、人間の大腸がんの細胞を移植したマウス7匹に、クラゲの蛍光遺伝子を組み込んだこのウイルスを投与して調べたところ、がん転移先の13か所のリンパ節のうち、12か所で蛍光が確認できた。

藤原助教授は「動物実験で安全性を確認、感度を高めた上で、臨床応用も考えていきたい」と話している。(YOMIURI ONLINE)

米国立がん研究所(NCI)と東大大学院の研究グループも「がん組織だけを光らせる」薬を開発しているようです。実験マウスにがんを点在させ、この薬剤を散布して観察したところ、0.8ミリ以上のがん組織の9割を確実に把握でき、0.1ミリ程度の小ささまで見ることが可能とのこと。
テロメスキャンと同様に、より的確な診断や手術の際の取り残し防止に役立ちそうです。

関連ページ:テロメスキャンのがん診断への応用