母乳やヨーグルトの「ラクトフェリン」に大腸ポリープ縮小効果

母乳やヨーグルトなどに含まれるたんぱく質「ラクトフェリン」に、大きくなるとがん化する可能性がある大腸ポリープ(腺腫)を縮小させる効果があることが、国立がんセンターがん予防・検診研究センターの神津隆弘室長らの調査で分かった。

ラクトフェリンは、人間の母乳、特に初乳に多く含まれる。牛乳などにも含まれるが、量が少なく熱に弱い欠点がある。

今回の研究では、牛乳から分離、精製したラクトフェリンの錠剤を使用。同センター中央病院で、すぐには内視鏡切除の必要がない直径5ミリ以下の腺腫が見つかった104人に協力を求め、1日3グラム、あるいは1・5グラムを摂取する群と、ラクトフェリンを含まない偽薬を摂取する群の計3群に分けて、1年後に腺腫の変化を比較した。

その結果、偽薬の群では直径が平均6%増大したのに対し、1・5グラム摂取群では2・1%の増大にとどまり、3グラム摂取群では4・9%の縮小が認められた。

また、3グラム摂取群では、血中のラクトフェリン濃度が高く保たれ、免疫細胞の一種であるNK細胞が活性化することも分かった。

神津室長は「腺腫を縮小させる食品成分が見つかったのは初めて。ラクトフェリンの摂取で、腺腫の増大が抑制できるのであれば、大腸がんの予防効果も期待できる」と話す。(読売新聞)

ラクトフェリンとは?
別名「赤いタンパク質」と言われ、ほとんどの哺乳動物の乳に含まれている多機能タンパク質です。中でも人間の母乳中、出産後3日の内の初乳には、最も多くのラクトフェリンが含まれます。

ラクトフェリンには、強い抗菌作用があり、大腸菌やO-157、ガンジダ菌などを殺菌する働きがある。また、C型肝炎にも効果があるとされており、全体として抵抗力を高める効果をもたらすとされている。
また、ラクトフェリンは鉄分の吸収を促進するため、貧血にも効果があるとされる。 ラクトフェリンは熱に弱いため、加熱された乳製品にはほとんど含まれていない。

関連ページ:大腸がんとは?